
近年、夜空を彩る幻想的なドローンショーが大きな注目を集めています。
2020年東京オリンピックの開会式や、大規模なテーマパークのイベントなど、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、「一体、あれをやるにはどれくらいの費用がかかるんだろう?」と疑問に思った方も多いはずです。
今回は、そんなドローンショーの費用について、プロの視点から徹底的に解説します。
500機、1000機といった大規模なドローンショーの費用相場から、個人で依頼することは可能なのか、そして費用を左右する要因まで、わかりやすくお伝えします。
ドローンショーの費用相場【結論:数十万円〜数億円】
日本国内では、100機規模のドローンショーを依頼する場合、おおよそ500万円からが相場となっています。規模や内容、開催場所によって上下しますが、屋外イベントであればこの金額がひとつの目安となります。
ドローンショーの費用は、その規模や内容によって大きく変動します。
一般的な相場は、数十万円〜数億円と非常に幅が広いです。
この費用には、主に以下の要素が含まれています。
- ドローン機材費・システム使用料: 使用するドローンの数、機種、制御システムにかかる費用。
- 人件費: 企画・演出、パイロット、整備士、安全管理担当者など、多くの専門スタッフの人件費。
- 許可申請・保険料: 飛行許可の申請費用や、万が一の事態に備えるための保険料。
- 演出・コンテンツ制作費: どのような図形やアニメーションを描くか、そのコンテンツを制作する費用。
- 運搬・準備・撤収費用: 機材の運搬や、現場での準備・撤収にかかる費用。

うわ、数億円もするんだ…やっぱり個人じゃ無理だよね。

機体数別の費用相場【50機・100機・500機・1000機】
最も費用を大きく左右するのが「使用するドローンの機体数」です。
機体数別の具体的な費用相場を見ていきましょう。
1. 小規模(〜100機):個人でも依頼可能?
屋内専用のドローンショーでは、10機による演出を15万円から提供している事例もあり、小規模イベントや個人の利用にも対応可能です。
小規模なドローンショーは、企業のプライベートイベントや結婚式など、個人でも依頼できる可能性があります。
- 〜50機程度: 約200万円〜500万円
- 〜100機程度: 約500万円〜1,000万円
この規模であれば、比較的低予算で、オリジナルのメッセージやロゴを夜空に描くといった演出が可能です。
2. 中規模(〜500機):地域のイベントやプロモーション
地域の花火大会の代替や、企業の大規模なプロモーションなどによく用いられる規模です。
より複雑なアニメーションや図形を表現できるようになります。
- 〜500機程度: 約2,000万円〜5,000万円
ドローンの機体数が多くなるにつれて、機材費だけでなく、それを制御するシステムや、多くの専門スタッフが必要となるため、費用は跳ね上がります。
3. 大規模(〜1000機以上):国家レベルのイベント
2020年東京オリンピック開会式では約1,824機のドローンが夜空に登場し、世界中で大きな注目を集めました。その総費用は数億円規模に達したと推測されています。
1000機を超えるドローンショーは、オリンピックや万博といった国家レベルのイベント、世界的な企業のブランドプロモーションなどで見られます。
まさに「夜空を巨大なスクリーンにする」ような、圧巻の演出が可能です。
- 〜1000機程度: 約1億円〜数億円
これらのドローンショーは、企画・準備に数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。
費用もさることながら、高度な技術と、安全性を確保するための綿密な計画が不可欠です。
個人が500機・1000機のドローンショーを依頼することは可能?
「じゃあ、個人が誕生日やプロポーズのために500機や1000機のドローンショーを依頼することは可能なの?」
費用面はもちろんですが、個人で依頼するには以下のような大きなハードルが存在します。
- 法的なハードル: 多くのドローンを人口密集地で飛ばすには、国土交通省への複雑な飛行許可申請が必要です。安全基準を満たすための専門的な知識が求められます。
- 安全管理のハードル: 多くのドローンを制御するには、高度な技術とリスク管理体制が必要です。万が一の事故に対する保険も高額になります。
- 準備期間のハードル: 演出の企画、コンテンツ制作、許可申請など、完了までに数ヶ月を要します。

やっぱり難しいのか…。
結婚式でサプライズとか夢見てたけどな。

したがって、個人で依頼する場合は、小規模なドローンショー(〜50機程度)から検討するのが現実的でしょう。
最近では、結婚式や誕生日イベント向けに、ドローンショーをパッケージ化して提供している企業も増えています。
ドローンショーの費用を左右するその他の要因
機体数以外にも、ドローンショーの費用に影響を与える要素は多数あります。
- 演出の複雑さ: 単純な図形か、複雑なアニメーションか。演出が複雑になるほど、コンテンツ制作費用は高くなります。
- 飛行場所: 観光地や人口密集地では、許可申請や安全対策に費用が上乗せされることがあります。
- 期間・回数: 1日限りのイベントか、複数日にわたるショーか。回数が多いほど、人件費や機材のレンタル費用がかさみます。
- オペレーション体制: 国内の専門家だけで完結するか、海外の専門家を招くかによっても費用は変動します。
ドローンショーの費用対効果:花火大会との比較
ドローンショーはしばしば花火大会と比較されます。
費用対効果という観点から、それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
比較項目 | ドローンショー | 花火大会 |
---|---|---|
費用相場 | 数十万円〜数億円 | 数百万円〜数億円 |
メリット | ・風や天候に比較的強い ・騒音や煙が出ない ・多彩な表現が可能(文字・ロゴなど) ・環境にやさしい |
・伝統的で大衆に親しまれている ・爆発音や光の迫力が大きい ・短時間で大きなインパクト |
デメリット | ・費用が高額になりがち ・まだ馴染みが薄い ・花火に比べ迫力に欠けると感じる人も |
・天候に左右されやすい ・騒音や煙の問題 ・火災リスク ・演出の自由度が低い |
近年、ドローンショーは環境への配慮や、より自由な演出が可能な点から、新たなエンターテイメントとして注目されています。