【2026年版】小型無人機等飛行禁止法とは|周囲1,000mに拡大したレッドゾーン・イエローゾーンの調べ方と48時間前の通報手続き

国会議事堂や自衛隊の基地、空港などの周りでは、航空法とは別の法律「小型無人機等飛行禁止法」でドローンの飛行が禁止されています。2026年7月14日の改正で、禁止される範囲が施設の周囲おおむね300m→1,000mに広がりました。この記事では、対象になる場所の調べ方・飛ばせる例外・48時間前の通報手続き・罰則を、警察庁と国土交通省の公開情報をもとに整理します。

法律の最終的な判断は、記事内のリンク先(警察庁・国土交通省・防衛省)の一次情報で確認してください。

 

この記事の結論

  • 対象施設の敷地の上空がレッドゾーン、その周囲おおむね1,000mがイエローゾーンです(2026年7月14日から)。
  • 重さの決まりがないため、100g未満のドローンも対象です。
  • イエローゾーンで飛ばせるのは、施設の管理者・土地の所有者や占有者(その同意を得た人を含む)・国や自治体の業務などに限られ、飛行の48時間前までに通報が必要です。
  • 改正で、イエローゾーンを飛ばしただけでも6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になりました。
  • 範囲は国土地理院の「地理院地図」で確認できます。航空法の許可を受けていても、この法律の同意・通報は別に必要です。

 

小型無人機等飛行禁止法とは

正式名称は「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」(平成28年法律第9号)です。国の重要な施設などをドローンによる危険から守るため、施設とその周りの上空での飛行を禁止しています。

項目 内容
所管 警察庁(対象空港は国土交通省、防衛関係施設は防衛省も関係)
対象の機器 ドローン・ラジコン機などの小型無人機と、気球・ハンググライダー・パラグライダーなど(特定航空用機器)を使った人の飛行
重さの下限 なし(100g未満のトイドローンも対象)
航空法との関係 別の法律。航空法の許可・承認があっても、この法律の同意・通報は別に必要

航空法でのルール全体はドローンの規制まとめ、100g未満の機体に関係するルールはドローン100g未満の規制まとめで整理しています。

 

2026年7月14日の改正で変わったこと

改正法(令和8年法律第47号)は2026年6月24日に公布され、7月14日に施行されました。警察庁は、ドローンの性能が上がって広く普及し、悪用された場合の危険が大きくなったことを改正の理由に挙げています。

項目 改正前 2026年7月14日から
イエローゾーンの範囲 施設の周囲おおむね300m 施設の周囲おおむね1,000m
イエローゾーンを飛ばした場合 飛ばしただけでは罰則なし(警察官の命令に従わない場合などに罰則) 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
対象施設 国の重要施設、外国公館等、防衛関係施設、対象空港、原子力事業所など 国内の要人が出席する行事の会場など(対象特別要人所在施設)や、国際会議の会場など(対象外国公館等)を、期間を決めて指定できるように
警察官の措置 違反者への退去命令、飛行の妨害・機器の破損など 施設の管理者などの関係者に措置を命じられることを明確化

よくある迷いポイント:「前は範囲外だった場所」

範囲が300mから1,000mに広がったため、以前は問題なく飛ばせた公園や河川敷が、今はイエローゾーンに入っていることがあります。2026年7月13日以前に書かれた記事や、古い地図の情報で判断せず、飛ばす前に毎回地理院地図で最新の範囲を確認しましょう。

 

対象になる施設

警察庁の案内では、対象施設は次の5種類です。

種類 主な施設 確認先
国の重要な施設等 国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居、危機管理を担う行政機関の庁舎、対象政党事務所、対象特別要人所在施設 警察庁
対象外国公館等 大使館など、外国要人が滞在する施設、国際会議の会場など 警察庁・外務省
対象防衛関係施設 自衛隊の施設、在日米軍の施設 防衛省
対象空港 新千歳、成田、羽田(東京国際)、中部、伊丹(大阪国際)、関西、福岡、那覇の8空港 国土交通省
対象原子力事業所 指定された原子力発電所など 警察庁

対象特別要人所在施設と、外国要人が参加する国際会議の会場などは、期間を限って一時的に指定されます。イベントや要人の来訪にあわせて飛行禁止の場所が増えることがあるため、警察庁の「警察からのお知らせ」もあわせて確認してください。

なお、8空港の周辺は航空法でも「空港等の周辺」として飛行が制限されています。航空法の禁止空域はドローンの飛行禁止区域と飛ばせる場所の調べ方で解説しています。

 

レッドゾーン・イエローゾーンの調べ方

警察庁は、範囲の確認に国土地理院の「地理院地図」を案内しています。地理院地図では、レッドゾーンとイエローゾーンを地図に重ねて表示できます。

  1. パソコンやスマホで「地理院地図」を開きます。
  2. 地図のメニューから「その他」→「他機関の情報」を開き、小型無人機等飛行禁止法の対象施設周辺地域の項目を選びます(警察庁のページにある地理院地図へのリンクから開くと、範囲を表示した状態で開けます)。
  3. 飛ばしたい場所まで地図を動かし、赤い枠(レッドゾーン)・黄色い枠(イエローゾーン)に入っていないかを確認します。
  4. 同じ「他機関の情報」から人口集中地区(DID)や空港周辺の空域も重ねると、航空法の規制もまとめて確認できます。

施設ごとの指定の範囲を示した図面は、警察庁の「対象施設の指定関係」ページ(国の重要施設など)、防衛省のページ(自衛隊・米軍施設)、国土交通省のページ(8空港)に掲載されています。境界の近くで飛ばす場合は、地図だけで判断せず図面も確認するか、管轄の警察署に問い合わせましょう。

DIDの調べ方はDID(人口集中地区)の調べ方で、地図の操作も含めて解説しています。

 

飛ばしてよい例外(同意・土地所有者など)

次のどれかに当たる場合は、禁止の対象外になります。

例外 レッドゾーン(施設の敷地の上空) イエローゾーン(周囲おおむね1,000m)
① 施設の管理者、またはその同意を得た人の飛行 ○ ○
② 土地の所有者・占有者、またはその同意を得た人が、その土地の上空で飛ばす ○(防衛関係施設・対象空港は×) ○
③ 国・地方公共団体の業務としての飛行 ○(防衛関係施設・対象空港は×) ○

自衛隊・米軍の施設と8空港のレッドゾーンで飛ばせるのは、①の施設管理者の同意がある場合だけです。

例外に当たる場合でも、通報は省略できません。たとえば自宅の庭(自分の土地)がイエローゾーンに入っている場合、②に当たるので飛ばすことはできますが、48時間前までの通報が必要です。

よくある迷いポイント:「公園なら誰でも飛ばせる?」

②の例外は「その土地の所有者・占有者の同意」が条件です。公園や河川敷がイエローゾーンにある場合は、その土地を管理する自治体や河川事務所などの同意を得たうえで、通報も行います。また、公園は条例で飛行を禁止していることも多いため、管理者のルールもあわせて確認しましょう。

 

48時間前までの通報手続き

対象施設の周辺で飛ばすときは、飛行を始める48時間前までに通報します。災害などで緊急にやむを得ない場合は、飛行の直前までに管轄の警察署へ口頭で通報すればよいとされています(施設管理者などの同意は、その前に得ておく必要があります)。

通報先

飛ばす場所 通報先
対象施設の周辺(共通) その地域を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会へ
皇居・赤坂御用地の周辺 上記に加えて、警察署を経由して皇宮警察本部長へ
飛行区域に海が含まれる 上記に加えて、管区海上保安本部長へ
自衛隊・米軍施設、8空港の周辺 上記に加えて、施設の管理者へ(防衛関係施設は様式が施設ごとに違うため、各施設か地方防衛局に問い合わせ。空港は国土交通省のページに各空港の連絡先あり)

羽田空港(警視庁・神奈川県警察)と伊丹空港(大阪府警察・兵庫県警察)のように、範囲が2つの都府県にまたがる場合は、両方の公安委員会への通報が必要です。同じ都道府県内で複数の警察署にまたがる場合は、どれか1つの警察署を通じて通報します。

提出するもの

  • 通報書(警察庁が様式を公開。施設管理者などは別記様式第1号、公務で飛ばす人は第2号)
  • 飛行する区域を示した地図
  • 施設管理者や土地所有者の同意を証明する書面の写し(国・自治体の委託で飛ばす場合は委託を証明する書面の写し)
  • 使う機体の写真(航空法の登録記号が表示された機体なら不要)

提出方法

警察署の窓口のほか、e-Gov電子申請でオンライン通報ができます。オンラインで通報したときの「到達番号」や、警察の確認後に届く「受付番号」は控えておき、飛行中に警察官から求められたら提示します。

機体の登録記号は登録記号の表示ルールで解説しています。表示していれば機体写真を省略できるので、通報の手間も減ります。

 

違反したときの罰則

違反の内容 罰則
レッドゾーンの上空で飛ばした 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
警察官などの退去命令などに従わなかった 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
イエローゾーンの上空で飛ばした(2026年7月14日から) 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

違反して飛んでいる機体に対しては、警察官などが機体の退去を命じることができ、場合によっては飛行の妨害や機体の破損などの措置をとることもできます。

 

ケース別:この場合はどうする?

ケース 小型無人機等飛行禁止法で必要なこと
自宅の庭がイエローゾーンにある 自分の土地の上空なら飛ばせる(例外②)。48時間前までに通報
イエローゾーン内の公園・河川敷で趣味の空撮 土地の管理者(自治体・河川事務所など)の同意を得て、通報。条例・管理者のルールも確認
自衛隊の基地の敷地の上空を撮りたい 施設管理者(防衛省)の同意がなければ飛ばせない
100g未満のトイドローンを室外で飛ばす 重さに関係なく対象。イエローゾーン内なら同意・通報が必要
家の中(屋内)で飛ばす 法律が禁止しているのは施設周辺の「上空」での飛行。屋内の扱いが気になる場合は管轄の警察署に確認

DID上空や夜間など航空法の「特定飛行」に当たる場合は、この法律の同意・通報とは別に、国土交通省への許可・承認の申請や飛行計画の通報も必要です。違いはドローンの飛行許可・承認・通報の違い、申請の操作はDIPS2.0の使い方をご覧ください。

 

よくある質問

Q. 航空法の許可を取っていれば、イエローゾーンでも飛ばせますか?

飛ばせません。航空法とは別の法律なので、施設管理者や土地所有者の同意と、48時間前までの通報が別に必要です。国土交通省も、対象空港について同じ案内をしています。

Q. 通報してから48時間たたないと飛ばせませんか?

通報は「飛行を始める48時間前まで」に行います。災害など緊急でやむを得ない場合を除き、48時間を切ってからの通報では、その日時の飛行には間に合いません。

Q. 1,000mの範囲はどこから測りますか?

施設の「敷地または区域」の周囲おおむね1,000mです。施設の建物からではなく、指定された敷地の境界から広がる点に注意してください。正確な範囲は地理院地図と各施設の図面で確認します。

Q. 万一の事故に備えて、保険は必要ですか?

この法律で保険の加入は義務ではありません。ただし、人や物に損害を与えたときの賠償に備えて加入しておくと安心です。補償内容の比べ方はドローン保険の選び方で解説しています。

 

まとめ

  • 2026年7月14日から、重要施設の周囲おおむね1,000mがイエローゾーンになり、そこを飛ばすだけで罰則の対象です。
  • 100g未満も対象。飛ばす前に地理院地図でレッドゾーン・イエローゾーンを確認します。
  • 範囲内で飛ばすなら、同意(施設管理者または土地の所有者など)を得て、48時間前までに通報します。
  • 航空法の許可・承認とは別の手続きです。両方の条件を満たしてから飛ばしましょう。

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参照元一覧

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