
「ドローンを副業にできる?」と考えたとき、先に知っておきたいのは報酬を受けて飛ばすと「業務」になり、趣味とは手続き・保険・電波のルールが変わるという点です。この記事では、仕事の種類ごとに必要なものと、始める前の準備を整理します。
収入の金額については、案件や地域で差が大きく、信頼できる統計が確認できなかったため、この記事では具体的な相場を載せていません。実際の募集内容で確認する方法を紹介します。
ドローンの仕事の種類と、必要になるもの
| 仕事の種類 | 主な内容 | 特に必要になるもの |
|---|---|---|
| 空撮(写真・動画) | 観光・不動産・建築・イベントなどの撮影 | 撮影場所に応じた許可・承認、編集のスキル、撮影場所の管理者の許可 |
| 点検 | 屋根・外壁・太陽光パネル・橋などの点検 | 人・物から30m未満の飛行や目視外飛行の承認、点検対象の知識 |
| 測量 | 工事現場や土地の計測 | 測量の知識。公共測量は測量士・測量士補が従事する決まり |
| 農薬散布 | 田畑への農薬・肥料の散布 | 原則として危険物輸送・物件投下の承認(2026年3月23日から、機体認証・技能証明などの要件をすべて満たせば不要)、農薬を安全に使うための知識(農林水産省のガイドライン) |
| スクールの講師・運航の補助 | 講習の補助、撮影現場の補助者 | 国家資格や飛行経験が求められることが多い |
分野ごとの詳しい内容は、ドローン測量の仕事、農薬散布の仕事、インフラ点検の活用で解説しています。
始める前の準備チェック
| 準備 | 内容 | 解説記事 |
|---|---|---|
| 機体登録・リモートID | 100g以上の機体は必須 | 機体登録の手順 |
| 飛行許可・承認 | DID上空・夜間・目視外・30m未満など、仕事で使う飛ばし方に合わせて取得 | 許可・承認・通報の違い |
| 飛行計画の通報・飛行日誌 | 特定飛行のたびに必要 | 飛行計画の通報 |
| 賠償責任保険 | 業務での使用が対象の保険。許可・承認の申請でも保険の加入状況を記載する | ドローン保険の選び方 |
| 電波の確認 | アマチュア無線を使う機材は仕事に使えない | FPVドローンの始め方 |
| 撮影場所・土地の許可 | 土地の所有者・管理者の同意、条例の確認 | 飛行禁止区域と調べ方 |
仕事なら「経路を特定しない包括申請」が使える
国土交通省の案内では、趣味目的の飛行は「全国」「○○県」のように経路を特定しない申請ができません。業務目的であれば、DID上空・夜間・目視外・30m未満などについて、期間(原則3か月、最長1年)と範囲をまとめた申請ができます。ただし、DID上空での夜間飛行や、夜間の目視外飛行、催し場所の上空などは、経路の特定が必要です。詳しくは個人の包括申請の注意点をご覧ください。
資格は必要?
ドローンの仕事に、国家資格が法律上必須になる場面は限られます(第三者の上空を立入管理なしで飛ばすカテゴリーⅢ飛行には一等が必要)。ただし、次の理由で国家資格を求められることが増えています。
- 2025年12月18日から、民間資格による許可・承認の申請書類の省略が廃止され、書類を省略できるのは国家資格の保有者だけになった
- 発注者が、技能の証明として国家資格の有無を確認することがある
資格の違いはドローンの資格の種類まとめ、費用はドローン免許(国家資格)の費用で解説しています。
よくある迷いポイント:「友人に頼まれて撮るだけなら趣味?」
報酬を受け取る撮影は、金額が小さくても業務として扱うのが安全です。趣味向けの保険では補償されないことがあり、アマチュア無線を使う機材も使えません。迷ったら、保険会社と申請の窓口に用途を伝えて確認しましょう。
仕事の探し方と、収入の調べ方
- クラウドソーシング:空撮・動画編集の募集を検索すると、実際の依頼内容と報酬額が分かります。相場を知るには、ここで複数の募集を見比べるのが確実です。
- 地元の事業者への提案:不動産会社、工務店、観光施設など。作例(ポートフォリオ)があると話が進みやすくなります。
- 求人サイト:点検・測量・農業の分野では、会社に所属して経験を積む方法もあります。
「月◯万円稼げる」といった情報は、根拠となるデータが示されていないものも多くあります。機体・保険・資格の費用を先に出し、何件受ければ回収できるかを自分で計算してから始めましょう。
お金と契約で気をつけること
- 確定申告:会社員の場合、給与と退職金以外の所得(副業の利益など)の合計が年20万円を超えると、確定申告が必要です。売上ではなく、経費を引いたあとの所得で判断します。
- 勤務先の就業規則:副業が認められているか確認する。
- 契約内容:納品物、撮り直しの条件、天候で延期した場合の扱い、事故が起きたときの責任の分担を、受ける前に書面やメッセージで残す。
- 写り込み:人の顔や車のナンバー、住宅の中などが写った映像は、公開前に確認・加工する。
よくある質問
Q. 資格なしでも副業は始められますか?
必要な許可・承認を取り、業務が対象の保険に入れば、資格がなくても受けられる仕事はあります。ただし、2025年12月以降は申請書類の省略に国家資格が必要になったため、継続して仕事をするなら二等の取得を検討する価値があります。
Q. 小さい機体(249g以下)でも仕事に使えますか?
使えます。ただし100g以上なので、機体登録と、飛ばし方に応じた許可・承認は必要です。
Q. ドローンの仕事は今後も増えますか?
物流・点検・農業などで活用が進んでいます。分野ごとの動きはドローンの物流・配送活用ガイドなどで紹介しています。
参照元一覧
- 国土交通省「包括申請のご案内」(趣味目的・業務目的の扱い)
- 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(審査要領の改正)
- 国土交通省 航空局の案内(申請時の保険加入状況の記載)
- 農林水産省「無人航空機による農薬等の空中散布に関する情報」
- e-Gov法令検索「測量法」(第48条:測量士及び測量士補)
- 総務省 電波利用ホームページ「ドローン等に用いられる無線設備について」
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」


