
「ドローンを始めたいけど、登録や免許が必要なのか分からない」「何から順番にやればいいの?」という方向けに、購入から初フライトまでに必要な手続きを5つのステップにまとめました。
この記事は、国土交通省・警察庁などの公式情報をもとに整理したものです(実機での検証レビューではありません)。法令や手数料は変わることがあるため、各項目に一次情報へのリンクを付けています。
この記事の結論
- 100g以上の機体は、飛ばす前にDIPS2.0で機体登録(手数料900円〜)が必要です。
- 登録が終わったら、飛ばす場所と方法が「特定飛行」に当たるかを確認します。当たらなければ、航空法上の許可・承認は不要です。
- 趣味で特定飛行をしないなら、国家資格は必須ではありません。
- 100g未満でも、小型無人機等飛行禁止法(2026年7月14日から規制範囲が拡大)や自治体の条例は適用されます。
ドローンを始めるまでの流れ(5ステップ早見表)
| ステップ | やること | どこで | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| STEP1 | 機体を選ぶ(100g以上か未満かを確認) | 販売店・メーカー公式 | 機体代 |
| STEP2 | 機体登録・登録記号の表示・リモートID | DIPS2.0(オンライン) | 900円〜(1機目・マイナンバーカード等で申請の場合) |
| STEP3 | 飛ばし方が「特定飛行」に当たるか確認 | 国交省の飛行ルール・地理院地図 | 0円 |
| STEP4 | 特定飛行をする場合のみ、許可・承認を申請 | DIPS2.0 | 申請手数料はかかりません |
| STEP5 | 必要に応じて国家資格・保険を検討 | 登録講習機関・指定試験機関・保険会社 | 資格は試験手数料+講習費 |
※登録手数料は国土交通省「ドローン登録システム よくある質問」より(2026年9月25日確認)。飛行許可・承認申請に国の手数料がかからない点は、DIPS2.0での申請手続きに基づきます。
STEP1:機体を選ぶ|100g以上と100g未満で手続きが変わる
航空法でいう「無人航空機」は、重量100g以上(機体本体とバッテリーの合計)のドローンです。100g以上か未満かで、必要な手続きが大きく変わります。
| 項目 | 100g以上(無人航空機) | 100g未満(模型航空機) |
|---|---|---|
| 機体登録(DIPS2.0) | 必要 | 不要 |
| リモートID | 原則必要 | 不要 |
| 特定飛行の許可・承認 | 該当すれば必要 | 空港周辺・150m以上の飛行は許可等が必要 |
| 小型無人機等飛行禁止法 | 適用 | 適用(重量の定義なし) |
| 自治体の条例・公園ルール | 適用 | 適用 |
「DJI Mini」シリーズのような249g以下の機体も、100g以上なので登録の対象です。「250g未満なら登録不要」は海外の基準や過去の情報なので、混同しないようにしましょう。
機種の選び方は、以下の記事で予算別に比較しています。
よくある迷いポイント:「トイドローンなら公園で自由に飛ばせる?」
100g未満なら航空法の登録や特定飛行の許可は要りませんが、公園の管理者や自治体が独自にドローンの飛行を禁止している場合があります。飛ばす前に、公園の管理事務所や自治体のサイトで確認してください。
STEP2:DIPS2.0で機体登録をする
2022年6月20日から、100g以上の機体は登録しないと飛ばせません。登録はDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)からオンラインでできます。
登録手数料(申請方法別)
| 申請方法 | 1機目 | 同時申請の2機目以降 |
|---|---|---|
| オンライン(マイナンバーカード/gBizIDで本人確認) | 900円 | 890円 |
| オンライン(その他の本人確認) | 1,450円 | 1,050円 |
| 書面申請 | 2,400円 | 2,000円 |
出典:国土交通省「ドローン登録システム よくある質問」(2026年9月25日確認)。有効期間は3年で、更新の手数料も新規登録と同じ額です。
登録後に必ずやること
- 登録記号の表示:機体の取り外せない部分に、見やすく表示します。25kg未満の機体は文字の高さ3mm以上です。
- リモートIDの書き込み・有効化:内蔵型の機体は、アプリなどで登録記号を書き込みます。事前登録期間(2022年6月19日まで)に登録した機体などは搭載義務が免除されています。
画面操作つきの詳しい手順は、こちらにまとめています。
STEP3:飛ばし方が「特定飛行」に当たるか確認する
航空法では、次の空域で飛ばす場合や、次の方法以外で飛ばす場合を「特定飛行」と呼び、原則として国の許可・承認が必要です。
| 区分 | 特定飛行に当たるケース |
|---|---|
| 飛行禁止空域 | 空港等の周辺 |
| 地表または水面から150m以上の高さ | |
| 人口集中地区(DID)の上空 | |
| 緊急用務空域(災害時などに指定) | |
| 飛行の方法 | 夜間の飛行 |
| 目視外の飛行(モニターだけを見て飛ばすなど) | |
| 人・物件から30m未満の飛行 | |
| 催し場所(イベント)上空の飛行 | |
| 危険物の輸送 | |
| 物件の投下 |
上のどれにも当たらない飛行(カテゴリーⅠ)なら、航空法上の許可・承認は不要です。ただし、飲酒時の飛行禁止や飛行前の点検など、どんな飛行でも守るルールもあります。
2026年に変わったポイント
- DIDから工業専用地域が除外:国土交通省告示第435号で、都市計画法上の「工業専用地域」内の区域は、DID上空の規制の対象外になりました(2026年7月から適用)。
- 小型無人機等飛行禁止法の規制範囲が拡大(2026年7月14日施行):国会・皇居・原子力事業所・自衛隊施設などの重要施設について、周辺の飛行禁止範囲が「おおむね300m」から「おおむね1,000m」に広がりました。この法律は100g未満の機体も対象です。
DIDかどうかの調べ方や、飛行禁止エリアの一覧は以下の記事で解説しています。
STEP4:特定飛行をするなら許可・承認を申請する
特定飛行に当たる場合は、DIPS2.0から国土交通省に許可・承認を申請します。特定飛行をするときは、飛行計画の通報と飛行日誌の記録も必要です。
2025年12月の変更:民間資格による書類の省略が廃止
国土交通省の審査要領の改正(2025年12月18日施行)で、国交省ホームページに掲載された講習団体の民間資格(技能認証)を使った申請書類の一部省略が廃止されました。現在、書類を一部省略できるのは国家資格(無人航空機操縦者技能証明)の保有者です。
民間資格しか持っていない人は、飛行経歴などの資料を通常どおり提出します。
よくある迷いポイント:「登録が終わればどこでも飛ばせる?」
機体登録は、あくまで「飛ばしてよい機体」になるための手続きです。飛ばす場所・方法の許可とは別なので、登録後もSTEP3の確認が必要です。
STEP5:国家資格と保険は必要?
国家資格(一等・二等)
国家資格は、特定飛行をしない限り必須ではありません。ただし、次のような場合は取得を検討する価値があります。
- 仕事で、DID上空や夜間・目視外などの特定飛行を繰り返す
- 2025年12月の変更を受けて、許可・承認の申請書類を省略したい
- 第三者上空の飛行(カテゴリーⅢ)を行う(一等が必要)
国に払う手数料は、二等・学科試験8,800円、実地試験(マルチローター・基本)20,400円などです。登録講習機関で講習を修了すると、実地試験が免除されます。
費用の内訳は次の記事で詳しくまとめています。
保険
保険の加入は法律上の義務ではありませんが、万一の対人・対物事故に備える手段として検討する人が多いです。
補償内容の比較はドローン保険の選び方で解説しています。
よくある質問
Q. 機体登録をしないで飛ばすとどうなりますか?
100g以上の未登録機を飛ばすと、航空法違反として1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。登録記号を表示していない場合や、リモートIDを搭載していない場合も罰則があります。
Q. 庭や自宅の敷地内なら許可はいりませんか?
自分の敷地内でも、そこがDIDに当たる場合や、夜間に飛ばす場合などは特定飛行になります。「敷地内だから許可不要」とは限らないため、STEP3の表で確認してください。
Q. 民間資格はもう意味がないのですか?
2025年12月18日以降、民間資格を使った申請書類の省略はできなくなりました。一方で、操縦の練習や知識の習得そのものには役立ちます。申請を楽にしたい場合は、国家資格の取得を検討しましょう。
まとめ
- 100g以上の機体は、DIPS2.0での機体登録(900円〜)・登録記号の表示・リモートIDが先です。
- 飛ばす場所と方法が特定飛行に当たるかを確認し、当たる場合だけ許可・承認を申請します。
- 2025年12月以降、申請書類を省略できるのは国家資格保有者のみです。
- 2026年7月から、重要施設周辺の飛行禁止範囲が1,000mに拡大しました(100g未満も対象)。
飛ばす前の最終確認には、ドローン安全飛行チェックリストもあわせて使ってください。
参照元一覧
- 国土交通省「無人航空機登録ポータルサイト」
- 国土交通省「ドローン登録システム よくある質問」(手数料・有効期間)
- 国土交通省「無人航空機登録要領」(登録記号の表示・リモートID)
- 国土交通省「無人航空機の飛行ルール」
- 国土交通省「航空法における無人航空機の飛行ルールについて」(特定飛行・カテゴリー区分)
- 国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」(工業専用地域の除外・告示第435号)
- 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(審査要領改正、2025年12月18日施行)
- 警察庁「小型無人機等飛行禁止法関係」(2026年7月14日施行の改正)
- 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明」
- DIPS2.0 ポータル
※罰則の内容は、行政書士法人による罰則一覧の解説(2026年7月更新)で照合しています。最終的な判断は条文・国土交通省の公式情報で確認してください。

